京都弁護士会所属会員に対する傷害事件に関する会長声明
2013年(平成25年)8月8日、京都弁護士会所属会員である彦惣弘弁護士が、京都市内の路上で、元依頼者の男からアイスピックの様な物で脇腹を複数回刺され、全治約2か月の重傷を負うという事件が発生した。男は殺人未遂の容疑で現行犯逮捕され、その後に傷害被告事件で京都地方裁判所に起訴されたとのことである。
同会員は、かつて、男からの依頼により離婚事件を受任していたことがあり、諸状況からして、男は、弁護士業務に関連しての逆恨みから今回の凶行に及んだものと思われる。
2010年(平成22年)6月には横浜で前野義広弁護士が、同年11月には秋田で津谷裕貴弁護士が、いずれも弁護士業務に関連して殺害されるという事件が続発した。今回の事件では、幸いにも彦惣弘弁護士の命に別状はなかったようであるが、一歩間違えば一命を奪われかねない事件であり、断じて許されない。
また、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の職務が、このような暴力によって妨害され、国民の権利の実現に重大な障害が生ずることも絶対にあってはならない。
当会は、捜査機関に対し今回の事件の適正かつ迅速な捜査と真相の徹底究明を求めるとともに、このような暴力的手段による弁護士業務の妨害に対して決してひるむことなく毅然と立ち向かう覚悟であることを表明するものである。
以上
2013年(平成25年)9月13日
福島県弁護士会
会長 小池 達哉